Statement:
作品を制作する際に常に2つの問いかけを自らに課しています。一つは「自分は一体何を望むのか?」もう一つは「なぜそうでなくてはならないのか?」
どのような観念を組み立てるにせよ衝動の赴くままに制作しても思考の階層が単純になり作品の深化を促すことができないし、外部に露出する時に他者への説明ができなくなります。
そのような状態に至るのを防ぐために自己を客観視して、時には後退や別の視点から見直して作品に落とし込む思考の層を厚くする必要があり、そのような思考実験を繰り返してこそ自分が何をすればいいかわからない状態から新たな発見や知見が生まれ、さらに次なるシリーズへの糸口が見つかります。
先の2つの問と話は前後しますが、「自分は一体何を望むのか?」の返答の一つは自分が今人生の内のどの地点にいるのかわからない、残り時間はあと50年かもしれないし明日の今頃かもしれない、とにかくその時間の中で自分が知ることのできる世界はこの程度なのか?世界は未だに自分が知らない知や発見が残っていないのだろうかと考えています。
もはや遠い昔になった子供の頃は見るもの聞くものがことごとく未知なる体験だったのに、時間が過ぎるほどに未知や神秘はすり減っていき当たり前の事として処理され生活の中に消費されていく。おおよその人はその様な事に気づくこともなく当たり前のように年を取り、薄暗く小さくなった世界から立ち去っていきます。
それでも特には問題ないのですが、もし選ぶ自由があるのならば自分は未だ無知であり世界には未だ自分が知らない何かが在ってその何かに出会いたい。その体験をできるのは最先端の学問か芸術の世界しかないだろうと考えているので作品制作をしています。
そのような事情があって自分が作品制作に何を望むかと言うと「未知を発見したい」という事になります。
My name is Mitsuyuki Yamaguchi. I am from Japan, from the Hokkaido region (northern Japan). I am a photographer.
The themes of my photography are: the relationship between humans and nature – past, present and future – and that between humans themselves.”
All Copyright © 2017 Mitsuyuki yamaguchi